悲しみの聖母

シモン・マルミオン 1480-90 44×30.5cm
ブリュージュ Groeninge Museum
 
「悲しみの聖母(マーテル・ドロロサ)」とは
キリストの受難を共にする聖母の悲哀の感情を表現した
聖母単独の礼拝像です。
15世紀フランスの画家マルミオンのこの作品に見られるように
聖母は頭を垂れ、涙が一筋頬を伝うといった姿で表現されます。
シンプルな造形ですが、
それだけにわが子を失った母の悲しみが伝わる作品です。




悲しみの聖母

メムリンク 1480年代 55×33cm
ウフィツィ美術館
 
優美な聖母子像を数多く描き、
「北方のラファエロ」とも呼ばれるメムリンクの作品です。
この時代聖母は若く描かれるのが通例でしたが、
メムリンクは年齢相応の姿で聖母を描いています。




悲しみの聖母

ティツィアーノ 1550 68×61cm
プラド美術館
 
ティツィアーノの描く「悲しみの聖母」です。
鮮やかな色彩で描かれた量感あふれる聖母像が印象的です。




悲しみの聖母

カルロ・ドルチ 1650頃 67×82.5cm
国立西洋美術館
 
ドルチは何点も「悲しみの聖母」を描いていますが、
この作品は画家の妻テレーザ・ブケレッリを聖母として描いたものです。
静寂に支配された祈りの世界が印象的です。