現代日本画名品展◆文化勲章受賞作家を中心に◆
 
 
 

2008年10月11日〜11月24日 八幡浜市民ギャラリー

北澤美術館が所蔵する日本画作品35点と
セキ美術館所蔵の日本画5点による展覧会でした。


東山魁夷 緑のハイデルベルグ
全体が美しい翡翠色に包まれたドイツの古都ハイデルベルグ風景です。
東山魁夷の描き出す翠の情景は独特の輝きを放つようです。

東山魁夷 晩鐘
ドイツ フライブルクの大聖堂を中心とした風景です。
この絵は10年ほど前に一度見たことがあったのですが、
何度見ても画面の透明感や構成の美しさに心惹かれます。

山口華楊 秋晴
一目見て釘付けになった作品です。
中央からやや左寄りに描かれた黒猫と
右側の柿の枝の対比が絶妙なバランスです。
黒猫はほぼ等身大で描かれ、
しなやかで細身の体躯と長いしっぽから
シャム猫の血が入っているのでは?と感じました。
おそらく撫でるとすべすべと肌触りよく、
抱っこすると柔らかなボディがすんなり手に納まるような気がします。
こちらを見つめる緑の瞳がとても綺麗です。

加山又造 (リンク先をスクロールしてください)
以前松山のセキ美術館で見たのですが、
何度見ても飽きることのない作品です。
こちらの猫(ヒマラヤンと思われます)は二匹の青い蝶を
蝶と同じサファイアブルーの瞳でじっと凝視しています。
猫の姿は実に写実的に描かれているのですが、
瞳だけが日本画的な様式美で描かれ鮮やかなコントラストを成しています。
この猫も等身大で描かれています。
流れるような毛並み、存在感たっぷりの前足としっぽ、
ピンとたった耳と立派なヒゲ…どれをとっても大変魅力的な猫です。
撫でるとつややかで手足や鼻先はビロードの如く、
そして抱っこするとずっしりした重みとしっかり詰まった肉体を感じ取れそうです。

他にも花瓶に活けられた牡丹や薔薇、雛罌粟を描いた美しい作品、
古寺や聖堂を描いた作品、抽象的な作品など
日本画の持つ様々な姿を楽しむことが出来ました。

 
 


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