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〜19世紀イギリス、華麗なる装飾芸術の世界〜ウィリアム・モリス展
 
 
 

八幡浜市民ギャラリーでは毎年秋に展覧会を開いており、
これまでも印象派、バルビゾン派、エコール・ド・パリ等の絵画展が開かれました。

これまで愛媛県内で英国美術関連の展覧会はあまり開かれたことがなかったため、
この展覧会を知ったとき、是非見に行きたいと思いました。

1.テキスタイル
絨毯、壁掛け、内装用ファブリックなどのテキスタイルの数々が展示されていました。
ヨーロッパの伝統的な文様だけではなく、
東洋のデザインも取り入れた花や小鳥のモチーフの美しさは
じっくりと眺めていると作品世界に引き込まれてしまいそうです。
チューリップの可憐さ、カーネーションの華やかさもさることながら
一番人気は小鳥と野いちごをデザインした「いちご泥棒」だったそうです。
地の色の青、草葉の緑、小鳥の茶色で構成された画面の中
赤いいちごのアクセントがよくきいたデザインです。
この作品の染色にはとても手間がかかったため、
最も高価なものとなりましたが、
それでも多くの人気を集めたそうです。
今回は「アイリス」が展示されていなかったのが残念です。

2.壁紙
19世紀後半になると機械化による大量生産による商品が出回りましたが、
モリスはそれを嫌い、伝統的な技法をもとに木版と天然顔料で壁紙を作りました。
シンプルな「マリーゴールド」や「柳」などは
現代日本の住宅に用いても違和感のなさそうなデザインです。
緑の葉と赤い花が美しい「すいかずら」
青地に薄紫の葡萄が映える「ぶどう」
小花模様が愛らしい「ひなぎく」など
手仕事の妙をどれも感じさせてくれます。
モリス以外のデザイナーによる壁紙も展示されていましたが、
そちらはややモダンな雰囲気の壁紙でした。

3.家具・室内調度品
モリスのデザインした家具はシンプルでありながら、
手仕事の温かみを感じさせるものです。
暖炉周りの装飾用のタイルやランプなども優美です。
特にチューリップ型のスタンドランプが印象に残りました。
実際の部屋を再現した形の展示方法もよかったと思います。
(カーテンや壁紙はレプリカでした)

4.ステンドグラス
英国各地の教会にあるステンドグラスを
グラデス・バックライトフィルムという技法も用いて再現した展示です。
主にバーン=ジョーンズデザインによる天使や聖人像でした。
ステンドグラスは現地へ行かなければ見られないものなので、
この手法での展示はよいものだと思いますが、
可能であればバーン=ジョーンズによる下絵なども展示してあればもっとよかったのにと思います。

モリスの「暮らしの中に手仕事の美を」という思想は
その後の装飾芸術に大きな影響を与え、
のちに日本でも民藝運動が起こります。
素朴でありながら精緻な美しさのモリスのデザインの数々に魅了された一時でした。
 
 


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