薔薇！

薔薇を私は愛します！

この世の若人の脣（くちびる）はみな

薔薇にキスします、薔薇にキスします。

 

若い処女（おとめ）のおののく夢を

―知ることができるのは

ただひとり

薔薇だけです。

 

この世の女という女は、息に薔薇の香を漂わせ、

脣をふるわせながら、甘く熱い言葉をささやきます。

みずから最も熱い震き（おののき）である薔薇のほか、

誰も知らない言葉を。

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65×47cm　　個人蔵