アダムの最初の妻リリス、人の話では
(エバを贈られる前に彼が愛した魔女)
蛇である前に その甘い舌で彼を瞞し、
魔性の髪は この世に初の金髪だったとか。
地球は老いたが 彼女は今も若々しく坐り、
自分の姿をうっとり見とれて 彼女が
織り上げた眩い網に 男をひきつけ
やがて心も体も生命も 虜にしてしまう。
薔薇と芥子が彼女の花、おおリリスよ
香りを漂わせ そっと口づけし 優しい
眠りの罠にかける男は 見つかったか、
見よ! あの若者の眼は君の瞳に燃え
一本の金髪が その胸を縛り上げる。
ロセッティ「リリス」
松浦 暢 訳
ロセッティ レディ・リリス
1867 51.3×44cm
メトロポリタン美術館

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