細見美術館は京都市内随一のカルチャーゾーン・岡崎の一角にある美術館です。 所蔵品は仏画・水墨画・陶磁器など多岐にわたっており、 テーマ別の企画展で随時作品を紹介しています。 当時開催されていた展示は「琳派展\『江戸琳派 抱一・其一の粋』」で、 酒井抱一、鈴木其一など江戸琳派を代表する絵師の作品を中心に展示していました。 私は日本画にはあまり詳しくないのですが、 抱一の描く朝顔の青の美しさや、 其一の描く鵞鳥の可愛らしさをただただ愛でていました。 あと個人的に気に入ったのが、作者名を忘れてしまったのですが、 菜の花と蓮華草を男雛と女雛に見立てた作品で、 桃の節句に雛人形代わりに飾ってみたいと思う作品でした。 細見美術館は程よい規模の近代的建築で、ゆったりと作品を鑑賞できます。 地下階にはカフェとミュージアムショップがあり、 私はこのカフェで昼食にしました。 地下といっても吹き抜けになっているので開放的な雰囲気がします。 「京琳派 神坂雪佳展」は細見美術館の協力のもと開催された展覧会です。 神坂雪佳(1866-1942)は琳派の美を明治から昭和にかけて体現した画家で、 近年海外での評価が高まり、日本国内でも改めて注目されるようになりました。 この展覧会では 雪佳の源流 雪佳の絵画 雪佳の工芸 琳派の意匠 に分けて琳派の歴史と雪佳の画業を見ていく展観となっています。 特に印象に残った作品が雪佳『金魚玉図』と 『百々世草』の二匹の子犬とカタツムリを描いた絵です。 『金魚玉図』は真正面からという珍しいアングルで金魚を描いた作品で、 雪佳の独創性とユーモアを感じます。 そして子犬とカタツムリを描いた絵では墨の線一本で 子犬の柔らかな体や毛並みまで表されているようでした。  
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