湯布院ギャラリーめぐり
 
 
 

湯布院は小さな町で主要な見所はほぼ歩いて回れますが、
少し離れたところにある施設もあります。

由布院ステンドグラス美術館
湯布院へ到着して最初に行った場所で、
田園風景の中にある美しいレンガ造りの建物です。
中世から近代に至るステンドグラスの歴史をたどることができます。
同じステンドグラスでも国によって様式が異なり、
また近代になると宗教的な題材だけではなく、世俗的な題材も取り上げられ
アール・ヌーヴォーやジャポニスムのステンドグラスも見ごたえがありました。
またホルマン・ハントをはじめ3人の画家による『世界の光』を原画としたステンドグラスもあり、
文字通り「世界の光」を体感することができました。
調度品もアンティークが用いられ、
実際に演奏することのできる小型パイプオルガンもあります。
隣接するチャペルには19世紀イタリアで制作された『聖母マリアと天使たち』は
ムリーリョの『無原罪の御宿り』をもとにしたものです。
ステンドグラスを目の高さでじっくりと鑑賞したのは初めてで、
その美しさにただただときめいていました。

マルク・シャガールゆふいん金鱗湖美術館
湯布院随一の名所金鱗湖のほとりにある瀟洒な建物です。
外は賑やかなのですが、2階のギャラリーに入ると一転静かになって、
シャガールの造りだす幻想的な絵画世界に浸ることができます。
当時展示されていたのは、リトグラフ連作『サーカス』で、
サーカスの動物・道化・女曲馬師などが美しくも哀愁を帯びたタッチで表現されています。
1階にはカフェとミュージアムショップがあります。

由布院美術館
湯布院で没した放浪の詩人画家、佐藤 溪の作品を展示する美術館です。
当時は「PEN & INK(ペン・墨絵)展」と題して
油性・水性ペンを使用して描かれた作品や
墨を使って描かれた作品が展示されていました。
中でも印象に残ったのが、『母と子』です。
ルネサンス期のウェヌスとクピドのように感じました。
そのほか水彩による風景画も展示されていました。
もう一つここの美術館の常設展示が「万華鏡」で、
一点ものの万華鏡の数々を実際に覗いて見ることができるのです。
私が特に気に入ったのは薔薇の花のオブジェクトが入った万華鏡と
クリスマスをイメージした天使のオブジェクトが入った万華鏡です。
由布院美術館は建物もとてもユニークです。
建物の雰囲気は下のサイトで詳しく紹介されています。
ほっこりゆふいん

休憩室には「アートメールはがき」というものがあり、
好きな絵を描いて中庭にある赤いポストに入れると
来年の希望の日に配達してくれるというものです。
私もやってみましたが、実にセンスのない絵に仕上がってしまいました。
美術館には猫が住み着いているようですが、 残念ながら姿を見ることはできませんでした。

ドルドーニュ美術館
古民家を利用して作られた個人で運営されている美術館です。
畳敷きなので履物を脱いであがるのですが、
本当にゆったりとくつろげます。
主に九州の作家の作品が展示されており、
心ゆくまで作品世界を満喫することができます。
猫の鳴き声が聞こえるので、振り向いてみると黒猫がいました。
野良出身なのですがとても人懐こく、お腹を出して寝そべって甘えてきます。
しばし猫とのふれあいを楽しむという至福のときを過ごしました。
また館主さんとの作品や美術についてのお話もとても楽しいものでした。
 
 


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