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 9    オフィーリア
更新日時:
2005/08/19
 
星かげ浮かべ波立たぬかぐろき水に運ばれて
大白百合と見もまごう白きオフェリア流れゆく、
長き被衣に横たわり、いと静やかに流れゆく。
遠くかなたの森のかた、鹿追つむる狩の笛。
 
すでにして一千余年、長くかぐろき川水に
悲しき態(さま)のオフェリアのほの白き幻流れ、
すでにして一千余年、狂恋の姫が恋歌ひそやかに
岸の夕べのそよ風に揺れてきこゆる。
 
夕つ川風乳房なめ、水にたゆとうひろやかな
彼女が被衣花冠(はな)かともうちひるがえす。
柳の糸はもだえつつその撫肩に涙しつ。
芦のしだり葉うなだれて夢見る額いたわりつ
 
愁傷の睡り(ねむり)蓮、彼女をめぐりた溜息し、
木立なる塒(ねぐら)の小鳥、彼女悼みてめざめいで
ひそやかに羽搏きのわななき洩らす。
金の星、み空より神秘なる歌声おとす。
ランボー「オフェリア」より
堀口大學 訳
 
 
ルドン 花に囲まれたオフィーリア
1905-08頃 64×91cm
ロンドン ナショナル・ギャラリー



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