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ベルギー王立美術館展
 
 
 

ブリューゲル、ルーベンス、マグリット、デルヴォー…巨匠たちの400年

16・17世紀フランドルの巨匠から、
19世紀ベルギー象徴主義の画家たち、
更に20世紀のシュールレアリスムの画家たちまで、
ベルギー美術の歴史を第一級の作品群で概観できる展覧会でした。

展示構成は16世紀から20世紀まで年代をおったものとなっていました。
私が好きな作品・印象に残った作品中心で感想を述べたいと思います。


イカロスの墜落 ピーテル・ブリューゲル(父)
会場に入ってまず最初に目に入ってきた作品です。
「早速真打登場か?!」と感じてしまいました。
海の青や農民の服の赤を初めとした画面の瑞々しい質感は
とても400年以上の時を経て現代に伝えられた作品には見えませんでした。
この作品は『イカロスの墜落』と題されていますが、
主題となったイカロスの姿は
画面の右隅の海面上に足とわずかに腕が見えるだけです。
(腕は会場で実際の作品を見て初めて気づきました)
一人の少年が悲劇的な死を遂げたにもかかわらず、
人々は淡々と日々の暮らしを営んでいるという姿に
「諸行無常」という言葉が浮かびます。

ヴィーナスとアドニス ヨルダーンス
ヨルダーンスといえば今回の展覧会にも展示されている『飲む王様』のような
庶民の酒宴を躍動的なタッチで描いた作品が知られていますが、
私の印象に残ったのはこちらの神話画のほうです。
ヴィーナスと美少年アドニスのエピソードは多くの画家が描いていますが、
どちらかといえば「美女」ヴィーナスが中心となった作品が多く、
アドニスの「美少年」ぶりを満喫できる作品は多くないように思えます。
この作品のヴィーナスは豊満な後姿を見せていますが、あくまでも「脇役」であり
アドニスの魅力が如何なく描き出されていると思います。

天使に着付けてもらう若いマリア ガスパール・ド・クレイエル
聖なる乙女というよりも
どこかのお姫様のような美少女マリアが魅力的な作品です。

浴女とサテュロス ヴィールツ
ベルギー象徴主義の先駆けとなった画家の作品です。
このテーマは古くから描かれてきたものですが、
それまでの多くの画家が描いていた開放的でおおらかな肉体美よりも
どこか「死」を匂わせる「エロス」を感じます。

秋の花 アトリエ アルフレッド・ステヴァンス
どちらもあまり明るいとはいえない画面に描き出された作品ですが、
モデルの女性の立ち姿が非常に優美で印象に残ります。

ジェルメーヌ・ヴィーナーの肖像 クノップフ
クノップフといえば幻想的な象徴主義絵画のイメージが強いのですが、
この作品は愛らしい少女の肖像画です。
白と黒中心の色使いが少女の無垢な魅力を引き出しています。

白、黒、金 クノップフ
『蒼い翼』のモノトーンによるバリエーションです。
白昼夢のような美しさを感じる『蒼い翼』に対し、
『白、黒、金』はノスタルジックな夢を見ているような気分になる作品です。

目覚め グザヴィエ・メルリ
メルリの描く人物はどれも彫刻的な量感を感じます。
ギリシア神殿の破風彫刻を思わせる人物と
桃山時代の障壁画を思わせる背景という
一見ミスマッチな要素が見事に調和している作品です。

孔雀 ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク
青緑で支配された画面の色彩美に一目で引き込まれてしまいました。
非現実的な要素は皆無の作品であるにもかかわらず、
幻想的な夢の世界に誘われるようです。
また平面的な装飾性から日本画を連想してしまいました。

トリスタンとイゾルデ
情念の輪 デルヴィル 著作権の関係で画像を表示しておりません。
究極の「愛と死」を描き出した『トリスタンとイゾルデ』
そしてまさしく「女の業」を表現した『情念の輪』
どちらもきわめて世紀末的で小品ながらその迫力に圧倒されます。

陽光の降り注ぐ小道 エミール・クラウス
木漏れ日の光と緑の木々に心和む作品です。

光の帝国 マグリット 著作権の関係で画像を表示しておりません。
青空と夜の街というまさに超現実を体現した作品ですが、
空の青さがあまりに自然なため、
これが現実にはありえない風景を描き出した作品であることを一瞬忘れてしまいます。
 
 


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