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アムステルダム国立美術館展
 
 
 

2006年1月12日に兵庫県立美術館のオランダ絵画の黄金時代 アムステルダム国立美術館展を見ました。
 
 
この展覧会はアムステルダム国立美術館の大規模な改装工事のため
世界を巡回する展覧会が企画されたもので、
日本では神戸のみの開催です。
 
 
1.画家とその世界
17世紀オランダの画家を取り巻く環境が、
画家の自画像や肖像画などとともに紹介されていました。
レンブラント「自画像」は彼の最初期の自画像のひとつで、
逆光の効果を巧みに用いた表現は、
光と闇のコントラストを描き出す画家の特性の片鱗を見せているように思います。
このほか当時活躍していた女性画家オーステルウェイクの肖像画や
画家のアトリエを描いた作品などが展示されていました。
 
 
2.画家とその世界:静物画と工芸
17世紀オランダでは特定のパトロンのために絵画を描くのではなく、
絵画市場で売ることを目的として制作が行われました。
そのため市場の需要に合わせてそれぞれの画家が描くジャンルが細分化していきました。
静物画はこの時代大きく発展したジャンルですが、
ただ花や果物、工芸品などを描いたものではありません。
美しいけれどもすぐに萎れてしまう花や、甘いけれどもすぐに腐ってしまう果物などは
「ヴァニタス」すなわち生の儚さの象徴として描かれました。
ラヘル・ライス「大理石の卓上の花のある静物」も一見美しい花の絵画ですが
よく見ると花につく虫が描きこまれており、ただ美しいだけの作品ではないことがわかります。
今回は絵画作品だけではなく工芸品も展示されており
静物画に描かれた背の高いビアグラスなども展示されていました。
 
 
3.都市
17世紀、オランダでは都市文明が発展しました。
都市住民の生活を描いた風俗画や都市の景観図などが展示されていました。
2000年に開催された展覧会でも展示されていた作品です。
あまり大きな作品ではありませんが、画面の三分の二を占める空の存在感に圧倒される作品です。
 
 
4.風景画:旅する芸術家
田園風景や外国の風景を描いた作品が紹介されていました。
ライスダール「ベントハイム城」はドイツに実在する城を描いた作品です。
前景の渓流はオランダにはない情景であり、こういった作品は当時人気を集めました。
ベントハイム城は実際にはなだらかな丘の上に建つ城なのですが、
ライスダールは城の位置を高く描くことによって、難攻不落の要害としての城を描き出しました。
 
 
5.宗教と寛容:レンブラントとハルス
当時のオランダでは新教が国教とされていましたが、実際には多くのカトリック教徒が存在し、
(フェルメールの妻の一家もカトリックで、彼もカトリックに改宗しています)
また多くのユダヤ人が暮らしていました。
レンブラントがユダヤ人医師の肖像画を描き、ハルスがカトリックの聖職者の肖像画を描いているということは
当時のオランダ社会が宗教に寛容であったことを示しています。
 
 
6.共和国の門閥市民と貴族
ハルスをはじめとた当時の人気肖像画家による裕福な市民の肖像画が紹介されていました。
 
 
7.共和国とオランダ領東インド
17世紀オランダの富はオランダ東インド会社による東アジアとの交易によってもたらされたものでした。
ことに東洋の陶磁器は貴族や裕福な市民があこがれたものであり、
デルフトでも染付を模した陶器が作られるようになりました。
ここではデルフト製の陶器と東インド会社関係の人物の肖像画が紹介されています
 
 
8.風俗画
17世紀オランダで静物画と並び市民の人気を集めたのが風俗画です。
農民の生活や家庭内の様子などが好んで描かれました。
フェルメールが描いた大半の作品もこの風俗画に属します。
「恋文」についてはこちら(クリック時音量注意)で感想を述べています。
また当時の風俗画における手紙の意味するところについてはこちら(クリック時音量注意)にで記事をUPしています。
レンブラント「修道士に扮した息子ティトゥス」は私の好きなレンブラント作品のひとつです。
ほとんど茶色一色で描かれた作品なのですが、ティトゥスの憂いを帯びた穏やかな表情や、静かな画面が印象に残ります。
 


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