ジャン=バティスト・グルーズ(1725-1805)は、ロココ時代のフランスで物語的な風俗画を描き人気を博しました。
また彼は甘く感傷的な少女の肖像を数多く描いたことでも知られています。



鳩を抱く少女
64.8×54cm
個人蔵
 
彼女が抱く白い鳩は無垢なるものの象徴であると同時に
愛と美の女神ヴィーナスの持物としても知られています。
少女の純真な愛らしさだけではなく、
幼いながらも「女性」としての魅力すら描いた作品に思えます。







死んだ小鳥
1759頃
ルーヴル美術館
 
小鳥は鳩と同じく「無垢」を象徴するものですが、
この死んだ小鳥は少女が「無垢」なだけの存在ではないことを表しているようです。







無垢

1790頃 63×53cm
ロンドン ウォレス・コレクション
 
子羊も「無垢なるもの」の象徴です。
しかし肌をあらわにした少女の姿には
どこかコケティッシュな魅力を感じます。