子羊たち
 
 
 


ブグロー 無垢


気高く美しい横顔を見せる母、
安らかな表情で眠るみどり児、
愛くるしい姿の子羊、
全体に白でまとめられた画面もあいまって
まさしく「無垢」を絵にするとこうなるのだ。ということを実感できる作品だと思います。


ブグロー 子羊たち

ブグローにはもう一点「母」と「子」と「子羊」を描いた作品があります。
左腕に白い子羊を、
そして右腕に彼女の最愛の「子羊」を抱く母という構図は
『無垢』とよく似ていますが、
どこか浮世離れした「母性」の象徴的存在のような『無垢』の母と異なり、
彼女はあくまでも地に足をつけてたくましく生きる「母」そのもののようです。

あくまでも理想美を追求した『無垢』
美しくありながらも現実的量感を感じる『子羊たち』
同じ構図であるにもかかわらず異なる印象の二作品ですが、
どちらからも「母」の魅力を感じます。