フェルメールの現存作品30数点のうち、楽器が描かれている作品は3分の1に及びます。 17世紀当時の絵画では合奏や音楽の稽古をする男女は恋人同士を暗示するものとして描かれています。 そして「音楽」は官能を刺激することから「愛」を象徴するものされていました。 ヴァトー「愛の調べ」は文字通り愛の喜びを歌い上げる恋人たちの様子が描かれています。 一方ボス「快楽の園」(部分)には、官能的な愛に耽った者たちへの懲罰を与える場として “音楽地獄”が描かれています。 そしてブリューゲル「死の勝利」(部分)には快楽に耽り死の恐怖が近づいていることに気づかない恋人たちの姿が、 やはり音楽を奏でる姿で描かれています。 |