ベルリンの至宝展
 
 
 

2005年7月21日に神戸市立博物館の「ベルリンの至宝展」を見ました。
 
 
�T先史美術
パネル展示のみでした。
 
 
�Uエジプト美術
印象に残ったのは、やはりティイ王妃の頭部像です。
小さい作品ですが、木目を生かした写実的な表現がすばらしい作品です。
モデルとなった王妃は決して若くはありませんが、
威厳と気品をもった顔立ちをしています。
そして私の好きなバステト女神(猫の女神)もいました。
 
 
�V古代西アジア美術
バビロンの装飾煉瓦壁が見事でした。
ライオンの姿をレリーフ状に表現しているのですが
数千年のときを経た現在もなお美しい色彩を保つ当時の技術に感嘆します。
そしてベルリンのペルガモン博物館では、この煉瓦壁をそっくり移築しています。
往年のバビロンを髣髴とさせる展示を見てみたいと思いました。
 
 
�Wギリシア・ローマ美術
ベルリンのペルガモン博物館はトルコ・ペルガモンの祭壇を移築していることから、この名で呼ばれます。
ここではペルガモン出土の女性頭部の大理石像が展示されていました。
このほかギリシアの赤絵壷、黒絵壷もありました。
 
 
�Xイスラム美術
イスラム美術とはイスラム教に関係のある美術のみならず、
広くイスラム世界の美術を指します。
展示数は少なかったのですが、コーランの書見台のレリーフの細やかさが印象的でした。
 
 
�Yコイン・コレクション
ギリシア以来ヨーロッパでは、コインは王権の象徴として重視されてきました。 現在の貨幣と異なり、使うのがもったいないようなコインばかりです。
 
 
�Zビザンチン美術
墓碑が展示されていました。
「赤子に乳を与える母親の像」は、かつては最古の「授乳の聖母」と考えられていましたが、
墓碑銘が発見されたことで、21歳で死亡した女性の墓碑であることがわかりました。
彼女は出産で命を落としたのでしょうか?
だとしたら、この墓碑はわが子に乳を与えることのできなかった若い母親を悼んで作られたものなのかもしれません。
 
 
�[中世ヨーロッパ彫刻
ゴシック様式の木彫などが展示されていました。
「ゴシック」といえば厳しい響きがしますが
「聖アグネス像」は繊細優美な女性像として表されています。
 
 
�\ヨーロッパ古典絵画
オールドマスターの絵画が展示されていました。
ここで一番心に残ったのは、やはりボッティチェリの「ヴィーナス」です。
「ヴィーナスの誕生」と同じポーズをとった「恥じらいのヴィーナス」ですが、
黒い背景に浮かび上がる姿は「ヴィーナスの誕生」とは異なる印象を与えます。
髪の毛の繊細な表現はボッティチェリならではだと思いました。
東京で展示されていたラファエロの聖母子像は神戸では展示されていませんでした。
ほかに印象に残った作品はブーシェの「ヴィーナスとアモル」です。
水に足を浸し休むヴィーナスの姿を描いた作品ですが
息子アモルを見守るようなまなざしが印象的でした。
 
 
�]ヨーロッパ近代絵画
19世紀以降の絵画作品が展示されていました。
シンケルの「岩場に立つゴシックの大聖堂」など、ドイツロマン派の風景画の透明感ある色彩の魅力に惹かれました。
先日のドレスデン美術館展でドイツロマン派の美に気づいたのですが、
それを再認識させられました。
フリードリヒの「窓辺の女」は彼の妻を描いた作品ですが
やはり後姿で描かれています。
なぜフリードリヒは正面を向いた人物を描かないのか、興味があります。
このセクションはドイツ絵画中心なのですが、マネの「温室にて」が展示されていました。
緑を基調とした美しい色彩の作品ですが、
当時「温室」はエロティックな小説の舞台となることが多く、
この作品も当時の人々にはそういう目で見られていたようです。
 
 
今回の展覧会を一言であらわすならば、
「ベルリン博物館群のエッセンスを濃縮した展覧会」といったところです。
様々なジャンルから少しずつの出展だったので、やや物足りない気もしました。
しかしこれだけの作品が一堂に会する機会はないと思うので
その点は貴重な経験ができたと思います。


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