フランシス・ダンビー
『夏の夜の夢』から
19.8×27.4cm
オールダム・アート・ギャラリー
 
 
 
天王星は1781年英国の天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見された惑星です。
最大等級が5.6等のため肉眼で見える場合もあり、
後にハーシェル以前に恒星としての観測機録が20回以上あったことが判明しました。
 
天王星は木星・土星同様水素をはじめとするガスで組成された惑星で、
木星と同じような淡い輪があります。
自転周期は17時間、公転周期は84年ですが、
最大の特色は自転軸が黄道に対してほぼ平行になっていることです。
 
この惑星の名はギリシアの天空神ウラノスにちなんだもので、
中国や日本ではその訳語である「天王星」が用いられます。
近代以降に発見された惑星には「未使用の神話上の大物」の名前がつけられました。
 
天王星には現在27個の衛星が確認されており、すべて名前がつけられています。
最初にハーシェルによって発見された二つの衛星には
シェイクスピア「真夏の夜の夢」よりオベロンとタイタニアと名づけられました。
その後発見された衛星には二個を除き、アリエル、ミランダなど
すべてシェイクスピアの作品の登場人物の名がつけられています。
 
 
画像は天王星の衛星オベロンとタイタニアにちなんで選んだものです。
フランシス・ダンビーは本来風景画家で物語画の専門家ではありませんでしたが、
この作品では妖精の王オベロンが妻である妖精の女王タイタニアを訪れる場面が
幻想的なタッチで表されています。