さそり座は7月から8月にかけて南天でよく目立つ星座です。
さそりの心臓に当たる真っ赤な1等星アンタレスを中心に
S字型の曲線を描き、きちんと毒針もついています。
アンタレスとは「火星に対抗するもの」という意味で、
この星が火星と同じくらい赤いことから名づけられました。

このさそりは冬の星座のオリオン座で知られる
狩人オリオンを刺し殺したさそりです。
力自慢で優れた狩の腕前を持っていたオリオンは
自分にかなう動物などいないと豪語していました。
そういったオリオンの傲慢さにヘラ女神は怒り、
大きなさそりを差し向け、オリオンの足を刺して殺させました。
オリオンは死後星座となってもさそりを恐れ
さそり座が天にある間は隠れて出てきません。
オリオン座とさそり座は天球の正反対に位置しているため
同時に夜空で見られることはありません。
この様子が神話にも取り入れられました。

画像はプッサン「盲たるオリオンのいる風景」です。
さそりの画像は見つからなかったので、オリオンの画像にしました。