いて座は夏の夜空を代表する星座の一つです。 1等星は無いのですが、北斗七星によく似た並びの南斗六星が目印となっています。 この星座は銀河の中心方向に向いて位置しているため 空の澄んだところでは天の川の見事な姿を見ることが出来ます。 いて座は半人半馬のケンタウロス族の長ケイロンが弓を構えた姿を象っています。 ケンタウロス族の多くは乱暴で人間たちから嫌われていましたが、 ケイロンは賢明で教養豊かな馬人で、多くの英雄を育てました。 ヘラクレスには武術を、カストル(ふたご座)には馬術を、 アスクレピオス(へびつかい座)には医学をそれぞれ授けたといいます。 そしてイアソンを育てたのもこのケイロンです。 人間とケンタウロスとの間に争いが起こり、 ヘラクレスも参戦していました。 そのときヒドラの毒矢を誤ってケイロンに撃ってしまったのです。 ケイロンは不死身であったため、毒による苦しみから逃れるため 大神ゼウスに願い、空の星座になったと伝えられます。 |
モロー
詩人を運ぶケンタウロス
1890頃 33.5×24.0cm
ギュスターヴ・モロー美術館
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