Midi ClassicsBGM by Windy
Midi Classics
音楽:ヘンデル「メサイア 序奏」



 
音楽の寓意 又は エラト
フィリッピーノ・リッピ
1500年頃 61×51cm
Staatliche Museen ベルリン
エラトは9人姉妹の学芸の女神ムーサ(ミューズ)の一人で、
恋愛詩・抒情詩を司るとされています。
彼女の持物は竪琴で、
この作品でも鹿の頭で作った竪琴が描かれています。
頭に被る月桂冠は詩人の象徴であり、
白鳥は音楽と縁のある鳥とされています。
ハンス・バルドゥング・グリーンは
「人生の諸段階」や「死と乙女」を題材にした寓意画を
多く描いた画家です。
この『音楽』も謎めいた雰囲気の作品ですが、
個人的には巨大な白猫がとても気になります。

 
音楽
ハンス・バルドゥング・グリーン
1529 83×36cm
アルテ・ピナコテーク ミュンヘン


音楽の歴史をたどると、
16世紀以降それまで声楽が主流であったものが、器楽主流に変わっていきます。
バロック期以降楽器を奏でる人物が多く描かれるようになるのは
こういった背景があるものと思われます。


 
リュートを弾く少年
カラヴァッジョ
1596頃 94×119cm
エルミタージュ美術館


女性的な膨らみを持つリュートは恋するものの楽器として好んで描かれました。
リュートは「徳」と「調和」の象徴でもあり、
その弦が切れている場合は「不和」を意味します。



 
合奏
ピーテル・デ・ホーホ
17世紀のオランダでは奏楽の情景が好まれ、
多くの画家によって描かれました。
この作品はデ・ホーホがアムステルダムへ移住してからのもので、
豪華な室内で合奏する男女が描かれています。
画中のヴァージナルの蓋には
「音楽は喜びの伴侶、悲しみの薬」という言葉が記されています。
この言葉は恋愛にも通じ、
男性教師が若い女性に音楽の稽古をすることは
「恋のレッスン」をも意味していました。
しかしこの作品からはロマンティックな情感はあまり感じられず、
「音楽の稽古をする人物と室内」を純粋に描いたもののようです。

 
音楽の稽古
フェルメール
1662-64頃 74×64.5cm
王室コレクション ロンドン