二度目の説教 1863-64 初めての説教 1863-64 この二点はミレイが初めて描いた「ファンシー・ピクチャー」で、 大いに人気を博しました。 モデルは当時5歳の長女エフィーで、 彼が自分の子供をモデルに描いた最初の作品でもあります。 ミレイはこの後自分の子供や孫をモデルに ファンシー・ピクチャーを数多く描くこととなります。 この二作品はミレイの画業の方向性を決定付けたものといえるでしょう。 『初めての説教』では少女はかしこまった面持ちで信徒席に座り、 厳かな礼拝の席にふさわしい振る舞いをしようと懸命な様子です。 一方『二度目の説教』では疲れてしまったのか居眠りをする姿が描かれています。 両足の様子を見ても『初めて〜』ではしっかりと揃えられていたのが 『二度目〜』では宙ぶらりんのリラックスした形になっています。 『二度目の説教』は画集『眠る女』に取り上げられています。 ここに登場する「眠る女」の多くは妙齢の乙女で、 愛を夢見て眠っているようなのですが、 この幼女はただひたすら無心に眠る様子が愛らしく、 「死」に通じる「眠り」を享受する女たちの中 満ち溢れる「生」を感じさせます。 |