ブーグロー 薔薇の聖母 1903 赤やピンクの美しい薔薇が咲き誇る庭園に 神々しい姿で幼子イエスを抱いた聖母マリアが佇んでいます。 正面を見据えた姿や金色の円盤状の光背、後ろの金色の壁など どことなくビザンティンのイコンを思わせます。 薔薇はキリスト教において重要な花の一つとされます。 イエスの受難の際、血が滴ったところから薔薇の木が生えて花を咲かせたという伝説があります。 この薔薇は血のような赤い薔薇で、赤薔薇は殉教の象徴とされるようになりました。 一方白薔薇は「母性」を意味し、聖母マリアの花とされました。 エデンの園に咲いていた薔薇には刺がなかったのですが、 人間が原罪を犯して以来薔薇には刺が出来たといわれます。 マリアは原罪を免れた存在と考えられているため、 彼女は「刺のない薔薇」にたとえられ、 数多い聖母の称号の一つにも「神秘の薔薇」というものがあります。 マリアの被昇天の後、彼女の墓は薔薇と百合で埋め尽くされたといわれます |