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盲目の少女
 
 
 


ミレイ 盲目の少女
1854〜56 81×62cm バーミンガム美術館


非常に鮮やかな色彩で描かれた田園風景の中
盲目の少女と彼女の妹と思われる少女が描かれています。
この風景は英国サセックス州で実際の戸外で描かれたものです。

彼女は背景の美しい虹を見ることは出来ませんが、
草をしっかりと握り締めた手や
膝に乗せたアコーディオンによって、
視覚以外の感覚が鋭敏なことが表されています。
きっと彼女は風の音・草の息吹すら感じ取ることが出来るのではないでしょうか?
そして心の目でこの豊かな自然を感じ取っているのだと思います。

この作品が描かれた当時の英国画壇では
社会問題を題材にすることが流行していました。
この頃「捨てられた女」や「身を堕とした女」
あるいは「お針子」「女家庭教師」といった題材が多く描かれています。
ラファエル前派の画家もそういった題材を取り上げ、
ホルマン・ハントは代表作の一つ『良心の目覚め』を
ロセッティは彼にとって唯一現代風俗を題材にした『見つかって』を制作しました。
ミレイもこの流行にのっとって盲目の少女の哀れな境遇を描いたものと思われます。

しかし毅然とした表情と力強い手を持つ少女からは
盲目であることのハンディキャップを感じることは出来ても
盲目であることによる不幸は見えてきません。
本当の幸福は目に見えないところにあるということを
『盲目の少女』は教えてくれているようです。