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心の女王
 
 
 


ロセッティ レジーナ・コルディウム(心の女王)
1866 59.6×49.5cm グラスゴー美術館


2007年5月〜6月にMy Sweet Roseのトップページに用いた作品です。

モデルは『モンナ・ヴァンナ』『魔性のヴィーナス』といった作品にも登場する
アレクサ・ワイルディングです。
彼女は1860年代以降ロセッティのお気に入りのモデルとなりますが、
他のモデルを務めた女性たちと異なり、
ロセッティと恋愛関係にはならなかったようです。

『レジーナ・コルディウム』は「ヴェネツィアン・スタイル」の作品です。
『モンナ・ヴァンナ』などのように女性の上半身像を装飾的な様式で描いたものを
「ヴェネツィアン・スタイル」と呼んでいますが、
この作品は様式化された桜の枝をあしらった金地の背景に正面向きの人物を配し、
さらに全景に薔薇の花を描きこむことによって
より装飾的な美を追求した作品となっています。

彼女が身に着けているのは愛の矢に貫かれたハートを象ったペンダントで、
彼女の恋心を表しています。
そして右手に持つアイリスは聖処女マリアの象徴であり、
背景の未熟なサクランボも処女性の象徴です。
そして盲目のクピドと蕾の薔薇は
彼女の恋心がまだ熟していないことを示しています。

ロセッティはこれに先立ち1860年に2点の『レジーナ・コルディウム』を描いています。

 

 
この二つの作品のモデルはこの年に結婚したエリザベス・シダルです。
アレクサがモデルの作品と同様ハートのペンダントをしていますが、
手に持っているのは「物思い」や「純愛」を意味するパンジーです。
作品の完成度としては後年の作品のほうがはるかに高いと思いますが、
素朴な美しさが心に残ります。

ロセッティは数多くの女性を愛しましたが、
この二つの絵を制作したとき、
彼の「心の女王」は紛れもなくリジーだったのではないかと思います。