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17世紀ドイツに始まる秘密結社。

キリスト教のグノーシス派、ユダヤのカバラ主義、錬金術他、オカルト信仰のいくつか融合させた一種の心霊主義。

1888年にジョセフ=エメ・ペラダンを中心に薔薇十字協会が新たに結成された。

薔薇十字協会設立の目的は

「基礎としての伝統と手段としての美をもって理想崇拝を再興する」(規約第1条より)ことであり、

「神なき、シンボルなきラテン文化というものは、いずれ急速に腐敗し果てる」という没落からラテン世界を救出することであった。

その目的達成のために1892年から97年にかけて6回の展覧会を開催した。

 

1892年から97年にかけて薔薇十字協会によって開催された展覧会。

薔薇十字協会の目指す理想実現のため、出品作品の主題は細かく規定されていた。

仕上げが完璧であっても排除される主題(規約第4条より)
1.歴史画、散文的絵画、ガイドブック的作品。
2.愛国的、戦闘場面を描いた作品。
3.現代の、個人的な、公共的生活を描いた作品。
4.衣裳が時代遅れで様式を損なわない場合以外の、肖像画。
5.あらゆる田園風景。
6.プッサン風ではないすべての風景画
7.海景画と水夫。
8.諧謔的なものすべて。
9.ただきれいなだけのオリエンタリスム。
10.家畜、スポーツに関連するもの。
11.花、果物、アクセサリー、普通は展示するには不遜と思われないもの。

不完全なできばえであっても歓迎される主題(規約第6条より)
1.カトリックの教義とアンドレア・サッキのマルガリトーネのイタリア的主題。
2.黄色人種を除くオリエントの神統記の解釈。
3.表現的な寓意。ピュヴィス・ド・シャヴァンヌのような装飾的寓意
4.崇高なヌード、レオナルド、ミケランジェロのような表現による頭部。

上に掲げた主題の規定に見られるように、ペラダンを中心とする薔薇十字協会は

写実主義、印象主義を否定し、また当時人気を博していたアカデミスム絵画も批判していた。

1892年にパリのデュラン=リュエル画廊で開催された第一回薔薇十字展には

デルヴィル、クノップフ、トーロップ、ホードラー、メルリ、シュヴァーベら69人の画家が参加し、225点の作品が出品された。

またピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、バーン=ジョーンズ、ワッツ、モロー、ベックリンは出品要請を拒否した。

薔薇十字展は、フランス、スイス、ドイツ、ベルギー、オランダの象徴主義芸術がパリで一堂に会し、交流を深める場となったとともに、

象徴主義がヨーロッパ全体の動向であったことをも示すものである。

ただし、ペラダンがレアリスムや印象主義を否定したのと同様、

薔薇十字展に対する批判があったことも確かである。

 

20世紀初頭ドイツで起こった前衛芸術運動。

反アカデミスム、反印象派を標榜し、外観の再現よりも精神の内面的な情動の表現を重視した。

芸術作品によって人間の生や情念を表現しようとする思潮は19世紀末の象徴主義者にもみられ、

表現主義に受け継がれていくこととなる。

 

20世紀初頭のフランスの絵画運動。“フォーヴ”とは“野獣”を意味する。マティス、マルケ、ルオーら中心に展開された。

既成の色彩・形態概念を超えた自由で豊かな表現によって、内面の表出を試みた手法は表現主義にも通じるものである。

1905年のフォーヴィスムの登場は、美術史における「世紀末」の終了を意味している。

 

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ブルターニュ地方ポン=タヴェンにて、ゴーギャンとベルナールを中心に展開された芸術運動。

装飾性、象徴性を特色とし、綜合主義を目指す。

のちにその活動はナビ派に受け継がれる。