こちらの音楽は"ib's Classic MIDI Album"様の作成したMIDIをお借りしております。 
音楽:グラナドス「スペイン舞曲集:第5曲『アンダルーサ』」




マネ スペイン舞踊

1853年に皇帝ナポレオン3世が美貌のスペイン女性ウジェニー・ド・モンティーホと結婚したことから
この頃のフランスではスペイン趣味が大流行しました。
「カルメン」(小説・オペラ)は大ヒットし、
スペインの芸人や闘牛士の公演に多くの人が足を運びました。

上の作品はマドリードからパリへやってきたマリアーノ・カンプルーピ一座を描いたものです。
彼らはパリで2シーズンもの間公演を行い
マネやボードレールといった芸術家たちも彼らの踊りを見るために足しげく通いました。


マネ ローラ・ド・ヴァランス

彼女はマリアーノ・カンプルーピ一座のプリマバレリーナです。
マネは彼女をアトリエに招きモデルとしてこの作品を描きました。


スペイン舞踊といえばまず思い浮かぶのがフラメンコです。
歌・ギター・踊りで構成され、
手拍子や掛け声で場を盛り上げる現在のフラメンコの形が完成したのは
19世紀中期といわれています。

フラメンコでは本来歌(カンテ:Cante)が最も重要とされていますが、
現在「フラメンコ」といえばまず連想するのが
爪先や踵を踏み鳴らしてリズムをとり、
手の動きで様々な感情を表現する踊り(バイレ:Baile)です。



19世紀後半以降様々な画家がフラメンコダンサーの姿を描いています。

  

社交界の令夫人や愛らしい少女の姿を描いたサージェントの作品です。
左は一心不乱に踊る姿、右は花形ダンサーとしての肖像といった感じです。



イタリア出身のボルディーニはマネの影響を強く受けた画家です。
ベル・エポックの紳士淑女の肖像を数多く描いたという点において
サージェントとも通ずるところがあります。
彼の躍動感ある筆致は踊る姿を描くにはうってつけのものといえます。



フラメンコを描いた作品は一般に暗い色調のものが多い中
明るい色彩と軽やかな動きが目を引きます。



この作品ではダンサーがカスタネットを手にしていることがよくわかります。
カスタネットは利き手に高音が出るものを、逆手に低音が出るものを持ちます。



こちらはロートレックの作品です。
フラメンコダンサーを題材にしても「情熱的」とか「華麗」といった雰囲気ではなく
彼独自の世界を作り出しています。



19世紀スペインの画家による作品です。
彼女らはプロの舞踊家・音楽家というよりも一般の人たちのように見受けられます。