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やぎ座は秋の訪れを告げる星座です。 華やかなさそり座やいて座と異なり暗い星ばかりで構成されています。 逆三角形に星々が並んでいますが、 古代の人々はこの逆三角形を「神々の門」と呼び、 死者の魂が天国へ昇る際にくぐる門と考えていました。 やぎ座は上半身がヤギで下半身が魚の姿をした牧神パンの姿を象っています。 通常パンは上半身が人間で下半身がヤギの姿で表され、 葦笛シュリンクスを吹いて羊飼いやニンフたちと踊ったり、 バッカスの従者サテュロスとニンフを追い回したりしています。 またパンには怒りに駆られる恐ろしい一面もあり、 「パニック」の語源ともなっています。 あるとき神々はナイル川のほとりで饗宴を開いていましたが、 そのとき怪物テュフォンが現れました。 神々はそれぞれ変身して逃げ出し、 パンもヤギの姿に変身して逃げようとしたのですが、 逃げ場を失ってしまい、魚に変身して川へ飛び込みました。 ところが彼はあわてていたため変身がうまくいかず、 上半身はヤギのまま下半身だけが魚の姿になってしまいました。 この一部始終を見ていたゼウスが面白がって パンのこの姿を星座にしたといわれています。 |
バーン=ジョーンズ
プシュケとパン
1872-74 65.1×54.3cm
フォッグ美術館
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